バイクで登山(山麓編)
山に登るのにバイクを使うなど、邪道の最たるものだろう。だが、あまり体力に自信がもてないロートルが山登りの醍醐味を味わおうとしたら、バイクに頼るしかないのだ。バイクなら急斜面を登り、かなり細い山道にも分け入って行くことができるからだ。
もちろん、バイクでは、険しい山に登ることはできない。林道を使って可能な限り高いところに登り、それ以上進めないところまできたら、その場にバイクをおいて徒歩で先へ進むのである。
このやり方で、私はかなり多くの山に登ってきた。急斜面や、がたがた道を登る関係で、バイクの傷み方が早く、愛車が途中でエンコしてしまうことも少なくない。ひとっこ1人いない山奥で、エンジントラブルを起こしたバイクを眺め、途方に暮れたことも一度や二度ではないのである。
これから紹介して行く写真は、バイク登山の際に撮影したものだ。いろいろな山に、いろいろなコースから登っているので、何処でどの写真を撮ったのか分からなくなっているのもある。出発点になるのは、下図のような場所である。バイクで山裾を走っているうちに、林道の入り口が見つかるので、とにかくそこから乗り込むのである。
バイクで少し登ると「下界」が見えてくる。次の二枚は、美和ダムへ流入する三峰川を見下ろした写真だ。
最初は三峰川の一部分しか見えなかった。先へ進むにつれて、川の全景が目に入ってくる。
自分が暮らしている街を、高みから見下ろすことも多くなる。
私が繰り返し登ってきた伊那山脈は、山の末端が指を拡げたように段丘面に突き出ている。次の二枚は指のように突出する支脈を撮ったものだ。
林道の両側は木々で覆われているが、樹列の切れ目から下方を観望することが出るのだ。切れ目が長く続いていると、長々と広がる伊那谷の全貌を目に納めることが出来る。
指のように平地に突き出た支脈を登り切って、その支脈を眼下に見下ろすと下図のようになる。支脈の先端部に立っている鉄塔は、テレビの中継塔だ。