水田のある風景
日本の景色は、水田を抜きにしては語られない。特に、伊那谷の風景は、水田というものを核にして展開する。
春まだ浅い田舎道を歩いていると、木立の中の山桜が花を付けている。そして、その山桜が水を張られたばかりの田に影を落としている。下の写真はその情景を写したものだが、地方に住んでいると随所でこうした光景にぶつかるのだ。
水田は平坦地ばかりでなく、用水を確保できれば里山の斜面にも展開する。棚田は信州姨捨にあるだけではない。全国至る所にあるのである。
日本を訪れた外国の詩人が、
耕して天に到る
勤勉なるかな
貧乏なるかな
と詠ったそうだが、下図の水田は火山峠というのを下って行く途中に見られる。
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火山峠を下り切ると、小さな集落がある。水田に取り巻かれた集落である。
水田に取り巻かれた集落もよいが、田圃の中に立つ家というのもいいものだ。
水田には、清らかな感じ、涼しげな感じがある。田圃の中の家にも、そうした清涼感がある。
以下の三つは、上掲の写真と同様、水田の中の家を撮ったものである。