生徒が書いた短文は、授業の素材として使った後は焼却されてしまう。しかし、捨て去るには惜しいようなものも少なくないので、一念発起して印象的な文章をノートに書き写したことがある。机上に提出された紙片とノートを並べ、印象に残る文章があったら、片っ端からノートに抜き書きして行くのである。

そのノートを取りだして読んでみると、今から30年前の生徒が書かれたものだから、ピンとこないものも目に付く。しかし、女子高校生の気持は昔も今も変わってはいない。現代の女子高校生は、茶髪にしたり、ルーズソックスをはいたりしているが、変わっているのは外側だけなのである。

これを書いた生徒たちも、今は40代になっている。高校に通う娘を持って、親子の断絶に悩んでいる母親も多いかもしれない。そういうときには、自分の高校時代がどうだったか思い出してほしい。

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