卵と不整脈


 

この話は卵を食べると不整脈になるとか治るとかいった単純なモノではない。
これは「うどん」なのか「ダシ」なのか。
一応「うどん」に入れてもよさそうな要素は多分にある。

五十年来卵一筋『まぼろしの卵』を追求している人の話をある雑誌で知った。宅配のチラシの中の『地卵宣言』に感激、勝手に紹介させてもらうことにした。

「生で食べられなきゃ卵ではない。たまごかけご飯や、すき焼きのつけたまごまで、日本の食文化を担ってきた生たまご、その味と安全を守るのは生産者の責務」
「昔の人は鶏のえさにニシンのアラなんかを使っていたんです」

今の卵の大半は、抗生物質・副腎皮質ホルモンなどの化学薬品を極大量に含んだエサ、山ほどの農薬漬けと遺伝子組み換えの輸入の大豆・トウモロコシなどで育てられ、しかも運動不足、日光浴不足。多く食べる人ほど病気になりやすくなる卵ではないのかと訴える人も沢山いる。
『地鳥の肉、地たまご』を食べたことのある人は、そのキリリと引き締まった味とコクに涙する、と言えば少々大げさだろうか。しかしそれは味だけの問題ではない。
本当に味の良いものは体にも良い。つまり体力だけでなく体質までも元気になるようにできている。美味しいものは楽しめるから心にも良い。心身ともに元気になる。しかし本当に美味しいものを見分けることのできる人は、現代日本人に一体どれほどいるだろうか。

「卵でアレルギーを起こす人がいます。ひとつの原因は大豆アレルギーではないかと疑っています。」
「(エサが大豆やトウモロコシになった)あの頃から日本の卵がガクンとまずくなった」

では大豆アレルギーとは何か?それは省略。
私が大学に入ったころは卵は確かに美味しかった。だからきっと栄養豊富だったに違いない。学生会館で朝食35円、昼食45円、夕食55円、時々贅沢して栄養を付けようと思ったときは1個10円の生卵をご飯に乗せて醤油をかけてかき混ぜて食べる。当時の私にとって2番目に最高のご馳走だった。卵を付けるかつけないかで、食券売り場の前を3回も5回も往復しながら、迷ったこともある。今にして思えば1個10円は高価だった。

「名を捨て官を捨て、ここに30年、土に挑み、土に親しみ、土に安らぐ。子孫いずくんぞその志を忘れるべけんや」

 父親は県庁の役人を辞めて、荒地で開拓農家となった。安定した生活を捨て、極困難の中に身
を投じて最高のたまご作りに取り組んだ。その息子は原価日本一と言うくらい飼料にカネをかけて贅沢なたまごを50年間作っている。

「世界の多くの人々が飢えと戦っている時、ささやかでもこんな贅沢が許されている日本。つかの間かもしれないその幸せをしみじみと味わって頂けたらと念じています」 

 ある人の弟はサブスリー・ランナーである。弟の後輩でもあり、ある人の友人でもある何某は250キロを完走したことがある。ある人は年1回のフルマラソンと年1〜2回のウルトラマラソンに参加する。250キロは5,6回参加して、完走はまだない。その3人の共通点はマラソンの前夜は必ず、真冬でも、オートキャンプすることと、過去に不整脈を持っていたこと。
 ある人の影響で完全菜食をしていた二人に次のように勧めた。
 「国産の、できれば有機農法の大豆の納豆に、天日干しのチリメンジャコと自然養鶏の卵をといて、3ヶ月間毎日一回食べる。もちろん醤油は国産大豆で無添加、できれば無農薬のものを」
 今は3人とも不整脈から解放されオートキャンプとフルマラソンやウルトラマラソンを楽しんでいる。
 いったいコレは何なのだ!

 芳村GO 14.7.11

 


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